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タトゥーのジャンル

ブラックアンドグレー(blackandgray)

ブラックアンドグレータトゥーは、黒と灰色しか使わないタトゥースタイルの事です。

 

このスタイルは、1970年代と1980年代のプリズンタトゥー(刑務所で自作のタトゥーマシンを受刑者が制作して、同じ受刑者にタトゥーをする行為)にルーツがあり、その後にタトゥーショップで彫られる事が多くなり、徐々に普及したと考えられています。

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この『ブラックアンドグレー』の独特な技術は、様々なタトゥーに使われています。

日本でも『カラス彫り』と言って、黒とグレーの濃淡を駆使した日本伝統刺青に伝わる技法もあります。

宗教的なアイコンをタトゥーで入れたり、『ポートレート』と言って、人物のモノクロ写真をそのままブラックアンドグレーのテクニックで、体に彫るというのもあります。

このスタイルのタトゥーを好んで入れている人も多く、リアリスティックのブラックアンドグレーでタトゥーをする場合も多く、現代においては、すごく人気のあるスタイルになります。

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宗教的なアイコンをタトゥーで入れたり、『ポートレート』と言って、人物のモノクロ写真をそのままブラックアンドグレーのテクニックで、体に彫るというのもあります。

このスタイルのタトゥーを好んで入れている人も多く、リアリスティックのブラックアンドグレーでタトゥーをする場合も多く、現代においては、すごく人気のあるスタイルになります。

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トライバル

トライバルタトゥーとは、体の曲線に沿った黒のラインが特徴的な部族、民族間に伝わる模様のタトゥーになります。

 

トライバルタトゥーは、古代の部族の芸術作品に由来しています。

これらの部族の芸術作品の現代的な形のタトゥーは、様々なものがあり、たくさんのデザインが制作されています。

 

伝統的なスタイルは、インド、ハワイ、アステカ、サモア、ポリネシアでも発祥し、世界に広がっています。

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※写真はマオリ族の伝統的なタトゥーの模様になります。

 

トライバルタトゥーは、人の社会的地位を表すようなものであったり、通過儀礼、家族の地位を描くために体に施されました。

部族や民族文化には独自のデザインと技術がありますが、トライバルタトゥーの多くは、黒のインクでのみ行われる事が多いようです。

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部族の入れ墨は、大胆なラインモチーフ、反復的なパターンデザイン、大胆な黒い線、

神話的な象徴性を特徴としています。

3

ブラックワークタトゥー/ネオトライバル

ネオトライバルタトゥーとも呼ばれるブラックワークタトゥーは、黒のインクを使用して、一定の大きな太い線を入れたり、パターンでの模様を入れる事もあります。

ブラックワークタトゥーは、ラインワークとドットワーク、塗り潰しの技術を多用し、黒い陰影や、濃淡を付けたり、独創的なグラフィックアートのようなものもあります。

対称的で複雑な幾何学模様になる事が多いとされています。

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すでにある既存のタトゥーの上から、新しいタトゥーで覆い、別のデザインのタトゥーに修正する事を主に「カバーアップ」と言いますが、上記に画像のように黒一色でカバーする事をBlackout(ブラックアウト)とも言われてます

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アメリカン・トラディショナル/オールドスクール

伝統的なアメリカ文化やワイルドウエスタンのタトゥースタイルに基づいています。

 

一般的には大きな黒のアウトラインを特徴とし、赤、緑、黄、黒を特徴とする限られたカラーパレットを使って描かれています。

現代においては様々なアレンジを加えて、グラデーションをより際立たせ、カラーリングをより強調するなどの作品も多く見られるようになりました。

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アメリカントラディショナルの発祥は1900年代の初頭頃から爆発的に人気が高まったとされており、

当時《水夫のタトゥー》とも呼称されてたそうです。

船の乗組員(水夫)の間で流行していたジャンルだと言われており、

世界で最初のタトゥーマシンを開発し特許を取得した《サミュエル・オーレイリー》が

『—タトゥーの入っていない水夫は、航海できない船と同じだ。』という言葉を残したことからも、水夫とアメリカントラディショナルは密接な関係にあったことが分かります。

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その後、アメリカントラディショナルの父と言われている『セーラー・ジェリー』や、その弟子である『エド・ハーディ』といった名高いタトゥーアーティストの影響もあって、今や世界中で愛されるタトゥースタイルの1つとなっています。

 

人気のある伝統的なタトゥーデザインには、スズメ、イーグル、ピンナップガール、ネイティブアメリカン、ハート、アンカー、マーメイド、短剣、バラ、ジプシーデザイン、などがあります。

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ネオトラディショナル/ニュースクール

ネオトラディショナルタトゥーとは、伝統的なタトゥーなどを現代的にアレンジして、モダンな雰囲気を感じるデザインです。

伝統的なデザイン性だけでなく、様々なモチーフを組み合わせて、より立体的にデザインされる事が多いです。

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デザイン自体に決まったスタイルが無く、アーティストによって作風も大きく変わるのが特徴です。カスタムワークが中心のアーティストにより様々なバリエーションが存在しています。色合いもトラディショナルな雰囲気が残るデザインも多く、しっかりとしたアウトラインも特徴の1つです。

 

『ニュースクール』と言われるスタイルは、どちらかと言えば、コミカルな雰囲気があり、ネオトラディショナルより、色彩がより豊かな印象があります。

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タトゥーアーティストの作風を見ていると、アニメ風なデザインもあれば、アメリカのコミックのようなデザインもあります。

ネオトラディショナルとニュースクールは、同じジャンルとして認識されている事も多いのですが、どちらもスタイルに囚われていない自由で独創的なジャンルになりますので、各アーティストの特色が出やすいものになっていると思います。

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リアリズムタトゥー/リアリスティックタトゥー

リアリズムのタトゥーは、リアルな質感のオブジェクトや写真のように見える、リアルなタトゥーの事を指します。ブラック&グレーで施術することもあれば、カラーでの施術をする場合もあります。

 

ここ数年でヨーロッパを中心に人気が高まってきており、日本国内においても、これから需要が高まっていくジャンルとして注目されています。

 

彫刻や石像、オブジェクトや建築物などの絵を組み合わせて、デザインする事も多くあります。動物や映画などの写真を、そのままタトゥーにできるという事で、注目が集まっているジャンルの1つです。

文字や装飾を付けて、インパクトのある1つの絵にする事もあります。

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日本伝統刺青/和彫り

日本の刺青は歴史が古く、江戸時代中期〜後期にスタイルが確立され流行したとされています。当時の刺青が流行したのが、小説『水滸伝(すいこでん)』と言われています。挿絵に著名な浮世絵師が描いたものが、現代においても受け継がれていて、作画されていたりします。

日本の刺青は、信念、願望、お守り、神話や伝説、水滸伝の豪傑達などの絵を彫られる事が多いです。

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左 歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人之一個 九紋龍史進 跳澗虎陳達》

 

中 歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人之壹人 浪裡白跳張順》

 

右 歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人一個 旱地忽律朱貴》

 

絵の組み合わせを選んで、彫る事もあります。

「縁起物散らし」として、商売繫盛や家内安全などの願いを込めたり、複数の面のデザインを用いる「面散らし」と呼ばれる絵の組み合わせ方などもあります。

面散らしの面は一般的に、おかめ、ひょっとこ、鬼、般若、天狗、烏天狗、狐、翁などが使われます。その中から5つを選び、「天下御免」の掛詞(かけことば)として「天下五面」としたり、選んだ4つに自分の顔を加え「天下五面」としたりします。

また、「牡丹に唐獅子」(ぼたんにからじし)いわゆる「唐獅子牡丹」と言われるモチーフが刺青の絵として用いられる場合があります。

 

意味は、牡丹に獅子を入れた図案の事で、これが転じて、取り合わせの良い(2つに1つで調和する)

事としての例えで使われます。

日本での唐獅子と牡丹は、絵や陶器などで、2つで1つとして一緒に描かれてきました。 

 

唐獅子は「百獣の王」 と言われ、牡丹は「百花の王」であるという事でも相性が良いとされているそうです。

なぜ、「牡丹」「唐獅子」が一緒なのかというと、諸説があり、百獣の王である唐獅子が唯一恐れるものは、自らに害をなす『虫』だと言われており、『皮を破り、やがて肉に喰らい付く』とされています。

しかし、この『虫』は牡丹の花から滴り落ちる夜露にあたると寄り付かなくなるとされていて

そこで唐獅子は牡丹の花の下で休みます。

つまりは牡丹の場所は唐獅子の安住の地や心が安らぐ拠り所である、との逸話が有力だそうです。

 

また、組み合わせの良いものとして

「竹に虎」「梅に鶯」「紅葉に鹿」「柳に燕」「猿に絵馬」「竹に雀」「波に千鳥」「牡丹に蝶」「松に鶴」などもあります。

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日本伝統刺青は『額彫り』に関しても、彫師によって作風が千差万別です。また『見切り』に関しましても、それぞれの特色が大きく分かれる部分になるとされています。

 

基本的には主題となる絵を中心にし、そこを地上に見立てて、岩や波、水の流れや飛沫等をイメージしたものを入れます。

例えば、昇り鯉が跳ねてる躍動感のある様を額で表現したりします。

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龍を主題とするなら、空に見立て、雲や雷、気流の渦を描いて額とします。

8

チカーノスタイル

チカーノのタトゥーのスタイルは、大胆で目立つイメージで構成されている事が多いです。

政治的、歴史的、文化的な意味合いがたくさんあり、組み合わせ方やデザインの構成なども、豊富にあります。

 

すべてのタトゥーデザインには意味があり、

一般的にチカンクス・アート(メキシコ系アメリカ人によるアート作品)に直接関連する背景ストーリーがあります。

 

チカーノスタイルのタトゥーは、パチュコギャング(チカーノギャング)文化から生まれたとされていて、ギャングへの忠誠心と敬意を示すためにタトゥーが行われていました。大きなスクリプトも特徴の1つで、家族や仲間などの事をタトゥーにする事も多いです。

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Mr.Cartoon(ミスターカートゥーン)というタトゥーアーティストによるアート活動によっても、チカーノ文化やチカーノスタイルのタトゥーが広く知られるようになりました。

 

ミスター・カートゥーンの作品は数多くの企業やブランドに採用されています。

2017年にミスター・カートゥーンはナイキとコラボレーションをして「コルテッツ」のスニーカーをデザインしました。

『コルテッツ』は長い間LAのチカーノコミュニティーに愛されているスニーカーという事もあり、彼はコルテッツを選んだそうです。

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ローライダーや、ストリートカルチャーに深く関心があり、自身のファッションブランドを立ち上げるなど、多岐にわたる活動をされています。

また数々のセレブや著名人(50Cent、Eminem、Travis Barkerなど)を顧客に持つ事でも知られていて、LAアートやチカーノアートによる関心を集めています。

 

チカーノスタイルのタトゥーで良く用いるデザインは、バラ、祈りの手、聖母マリアなどの宗教的人物、女性『Clown girl』や『Chicana girl』または『Female clown』と呼称されているモチーフをタトゥーとして入れる事も多いです。

9

ジオメトリックタトゥー

ジオメトリックとは「幾何学(きかがく)模様」という意味で、曲線や直線を使い、規則的に描かれた柄のことを指します。

タトゥーでは、複数の図形と絵を組み合わせたりする事が多い印象です。

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古代ギリシャの天文学をモチーフにしたり(ジオメトリックの模様のルーツは古代ギリシャにあるともされています。)天球における天体の回転運動を表現したものをイメージとしてタトゥーにしてみたりと、様々な組み合わせ方もあります。

 

よく組み合わせて使われるのは、

楕円形、正方形、長方形、三角形、サークル、ダイヤモンド、砂時計、星、ライン、月、太陽、星座、です。

10

レタリングタトゥー

『lettering』=『文字』『書いた文字』という意味になりますが、一言で《レタリング》と言えども様々な種類があります。

アラビア語や、フランス語、英語、日本語(漢字)

などもこの『レタリングタトゥー』というカテゴリに入ると思われます。

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レタリングタトゥーは《文字のタトゥー》の総称として言語問わず使われる事が多く、ほとんどの文字のタトゥーに当てはまると考えて問題無いです。

 

"文字のタトゥー"というのはシンプルに"タトゥーの意味"を自己表現しやすいものになりますので、近年タトゥー人口が増え、様々な方がレタリングタトゥーを入れられてると思います。

 

ご自身のストーリーや、記念日、格言や名言、セリフ、恋人との思い出、過去の出来事、合言葉など

その時の心情や、節目なんかでも入れられる方は多いですね。

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また、注文する際にはある程度、入れる言葉や文字を予め決めてから相談されると彫師側も困惑せずにスムーズなので、こちらでその例文を書いておきます。

 

例えば、タトゥーアーティストにレタリングタトゥーを相談したい場合は、

例『英語の"free"をレタリングタトゥーでこんな感じのフォント(あるいは画像)でコインサイズで手首に入れたいです。』

 

→この場合は大きさのバランスや、フォントの修正点だけを見つければ良いので、彫師側としては助かります。

 

注意点とすれば、『この日本語の意味で、アラビア語の翻訳バージョンとドイツ語バージョンを見たい(あるいは用意してほしい、入れたい)』

『〇〇をテーマに入れる文字を全て考えてほしい(何を入れるかを決めていない)』

 

→この場合、翻訳や綴りのミス、などが可能性としてあります。

お客様ご自身で考えられた方が良いと私は思います。

ただ、こちらから聞き取りをして『具体的な単語を入れるよりも、この単語にすればもっと深く、美しい意味合いになりますよ』などはご提案はしています。

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決まってる状態で、文字自体に加筆(文章や絵に手をいれて直すこと)や修正は可能なので、アレンジしてほしい。文字と文字を組み合わせたい。尾の部分を伸ばしてオシャレにしたい。などのご注文は可能です。

 

(おそらく、どの彫師さんも《加筆》に関しては共通でオッケーだとは思いますが、そうでない彫師さんもいらっしゃるので、必ず相談される事をオススメします。)

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